二科100年展 サポーター

この洋画家が凄い! 〜わたしがオススメするこの1点〜

本展の魅力をより皆様にお届けするため、5名の皆様が本展のサポーターとして決定しました。それぞれオススメの作品を1点ずつご紹介いただきましたので、ご来場の際はお見逃しなく!
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古賀春江
《 素朴な月夜 》
第16回展 (1929年 石橋財団石橋美術館蔵)
古賀春江さんの焦り
西脇順三郎の詩の如く、まるで幼な子の如く、種々様々な物が展げられている。柔らかく優しい色、稚なさを秘めた造型だが、絶えない不安や悲しみが漂っている。存在そのものをある時間にとじこめようとしても中々に果せない、それは焦りなのかも知れない。

石坂浩二

藤田嗣治
《 メキシコに於けるマドレーヌ 》
第21回展(1934年 京都国立近代美術館蔵)
『メキシコに於けるマドレーヌ』は人物が背景に溶け込まず、藤田作品の中でも異和感のある独得の仕上がりだ。1936年に亡くなった藤田の愛する妻マドレーヌ。彼女の鎮魂のために平野政吉美術館は生まれている。
世界で高値取引きされる日本の代表画家藤田嗣治。世界市場でフジタを超える日本人は未だに現れない。

小倉智昭

東郷青児
《 超現実派の散歩 》
第16回展(1929年 東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館蔵)
フランス留学から帰国してから数年間彼が描いた希少な作風の作品です。「超現実派の散歩」とは、超現実主義を散歩のように試してみた作品とのことで、シュールレアリスム特有の夢の中を覗いているような感覚と、どこかノスタルジックな空間に、吸い込まれるような魅力を感じます。

工藤静香

佐伯祐三
《 新聞屋 》
第15回展(1927年 個人蔵)
力強い筆致に佐伯の自信を感じるとともに、どうしても無念を見てしまう。《新聞屋》はようやく独自の表現を確立した時期に描かれた作品で、彼の前には可能性が広がっていた。だが本作を手がけた翌1928年8月、彼は30歳にして帰らぬ人となるのである。

吉田晃子

岸田劉生
《 初夏の小路 》
第4回展(1917年 下関市立美術館蔵)
溢れる光に軽やかなタッチ。多くの人を魅了するこの風景。しかし、それだけではない何か。岸田劉生が人生を歩み、感じてきたものがここには存在しているのだろう。奥に続いていく小路の先にその何かがあるのかもしれない。この作品の小路に入って、それを発見したい。そして、たくさんの方にこの小路を散歩していただきたい。

和田彩花

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私の選んだこの1点

二科会に所属する先生たちからも、おススメの1点を選んでいただきました!
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国吉康雄
《 サーカスの女玉乗り 》
第19回展(1930年 個人蔵)
二科会理事長 田中 良
アメリカで学んだ日本の画家である国吉康雄の作品にはリリシズムが感じられる。華やかな舞台を終えてサーカスで玉乗りをしている女性が思いを馳せているのは何処だろうか。若い頃の自分に心情的に似ている部分が有る。自然、生と死、愛などを追求する国吉康雄の抒情精神に惹かれる。
山口長男
《 地形 》
第45回展(1960年 福岡県立美術館蔵)
二科会絵画部常務理事 伊庭 新太郎
純化された色彩と形態に作者の倦くことのない思考の強烈さに驚く。油絵具と云う物質を離れ他の物質の質感に変換し、この作品の場合は地面であるが、他の代表作では農家の煙に燻された天井の木組の堅牢な形と木盾の味わいごときが圧倒的に迫り、その力強さに瞠目させられる。一言でおススメを言うなら、この作品の希有な存在感でしょう。
織田廣喜
《 黒装 》
第31回展(1946年 福岡市美術館蔵)
二科会絵画部常務理事 生方純一
日本を代表するような作品群の中から、一点を選ぶのは非常に難しい。あえて挙げるならば、織田廣喜先生の「黒粧」(F100号)。その後の織田先生の作品スタイルに至る過程を想像するのも楽しい。作品を制作した当時は戦後で物資も乏しい時代で絵具も安い黒しか手に入らなかったと聞いた。
小出楢重
《 帽子をかぶった自画像 》
第11回展(1924年 石橋財団ブリヂストン美術館蔵)
二科会絵画部常務理事 川内 悟
人物側面に当たる、明るい色調の柔らかい光の描写。細長く様式化された顔から、正面の陰影の衣服の表現。モデル台の水差しと葡萄の瑞瑞しさ。そして絨毯の色彩とその装飾性など、随所が素晴らしく、傑出した作品。二科揺籃期の才能優れた、個性派の一人で、滞欧5ケ月で帰国してからは、「日本の油彩画」というものの可能性を追求した。
黒田重太郎
《 一修道僧の像 》
第10回展(1922年 個人蔵)
二科会絵画部理事 中島敏明
黒いマントで影になった顔の表情から、よりいっそうの悲しみが読み取れる。
また死の象徴である頭蓋骨と僧は魂の交感をし、シルエットを浮かび上がらせる周りの微かな光はどこか魂の救いを求めているように思われる。シンプルな構図、モノトーンの中に込められた慈愛の心に深い感動を覚えます。
佐伯祐三
《 リュ・ブランシオン 》
第13回展(1925年 個人蔵)
二科会絵画部理事 山中宣明
私の二科展への出品は、佐伯祐三の下地作りの研究がきっかけでした。観る人の魂を揺さぶるスピード感のある線や面は、剥落の危険性を孕んだ独自の吸収性下地から生まれました。佐伯作品の磁力は画面にヒビがあろうとも損なわれることなく、突き動かされるような表現への渇望と混合技法の課題を今も私に突き付けてくるのです。
鶴岡義雄
《 化粧 》
第32回展(1947年 筑西芸術の森蔵)
二科会絵画部理事 香川 猛
「化粧」は鶴岡画伯の若年30才の時の作品である。女性像を描きながら骨太の荒削りのこの作品はアフリカの黒人彫刻を匂わせ男性的である。人体を一つの要素として、3人の異なるポーズを巧みに駆使し、コンポジション(画面構成)をしっかり意図した秀作となっていて、大器の片鱗をうかがわせる。二科展初入選から四年後にこの作品で二科賞に輝いている。
坂本繁二郎
《 放牧三馬 》
第19回展(1932年 石橋財団石橋美術館蔵)
二科会絵画部理事 中原史雄
馬と背景が融けあう平面的な画面、明度の差を抑えた明るい色。多くの画家が西洋の絵画様式を吸収するため渡仏したこの時代、しかし、坂本は西洋の表現に、風土の違いを感じ、あくまで日本人的な油絵を追求していく。そのぶれない信念が凄いのです。「月光」と云う死の前年の名作があります。馬産の窓から馬の頭と月が浮かびあがる、無限の深さを持つ絵画空間。その魅力を作家 井上靖は、『はなやぎ』と評しました。まさにこの国の造形です。
山口長男
《 地形 》
第45回展(1960年 福岡県立美術館蔵)
二科会絵画部理事 黒川彰夫
私が学生の頃、故・伊庭伝次郎先生から「山口長男先生の作品を参考にしたらどうですか」とよく云われました。当時はまだ山口長男先生の作品の良さもわからずじまいでした。しかし、その後、一塗り一塗りペインティングナイフで塗り込められた重厚な画面は、作者の作品に対する執念が感じられ、単純化された形でありながら素晴らしい魅力のあるものとなりました。
吉井淳二
《 踏切のある風景 》
第14回展(1927年 鹿児島市立美術館蔵)
二科会絵画部理事 西 健吉
庶民の生活風景(群像)を描き、実質で温かみのある画風で知られる吉井淳二先生、藝大在学中の作品である。風景は垂直、水平、斜線のシンプルな構成の中に身近な情感が込められていて、往き交う人の気配や電車の音も聞こえてくるようである。
岡本太郎
《 重工業 》
第34回展(1949年 川崎市岡本太郎美術館蔵)
二科会絵画部理事 大隈 武夫
中学3年の3学期、二科巡回展を博多の西日本新聞社の講堂で大作の「重工業」を観た強烈な印象が残っている。田舎者の絵の考えと全く違うので重機の車輪だけしか記憶にない。図録を観てもあの感動は湧かない。何が心に訴えたのか本物の前で確かめたい作品である。
淀井敏夫
《 聖マントヒヒ 》
第51回展(1966年 東京藝術大学蔵)
二科会彫刻部常務理事 吉野 毅
生あるものの孤独をマントヒヒになぞらえ、石膏の直付けという独自の技法で制作されたものである。形態との厳しいせめぎ合いは凹凸となり、強い生命感を表現している。戦後の具象彫刻を代表する一点である。
堀内正和
《 線A 》
第39回展(1954年 兵庫県立美術館蔵)
二科会彫刻部常務理事 菅原二郎
この作品の面白い点は線の構成でありながらその中に厳然として面を感じさせることである。線と面の構成に彼は興味を持ったのであろう。特に左下の小さな四角の中を大きな四角を形作る線が貫通している所に興味を持つ。
淀井敏夫
《 聖マントヒヒ 》
第51回展(1966年 東京藝術大学蔵)
二科会彫刻部理事 島田 紘一呂
動物作品の中には子供のキリンやヒヒが乗ったロバなどがある。代表作の一つである聖マントヒヒはブロンズ製の小品である。無駄を省いた研ぎ澄まされた形と、真っ直ぐに一点を見据えたそこには、聖に相応しい神聖な近寄りがたい気品が感じられる。
北川民次
《 夏の宿題 》
第55回展(1970年 個人蔵)
※大阪展・福岡展のみの展示になります。
二科会彫刻部理事 登坂秀雄
「北川民次先生の芸術の力」
子どもの「夏の宿題」に取り組む背後の人物達は何者でしょうか?さりげない日常の生活の中に、大人達の優しい眼差しの中にも、子どもの未来への期待と不安が拮抗しているようにも見える。時計を描くことで、画面に現実的な時間的躍動感を与えている。私は彫刻部に出品した者であるが、北川民次さんの絵と出会い、「芸術の力」を知らしめられ、感動しました。北川民次さんが出品する二科展に出品することに喜びを持つとともに、制作への姿勢を教わりました。
淀井敏夫
《 聖マントヒヒ 》
第51回展(1966年 東京藝術大学蔵)
二科会彫刻部理事 小田信夫
何気なく座る動物に込めた作者の深い思いが胸を打つ傑作である。作家は何かと肩に力が入り過ぎて、観る人々に威圧感を与えて仕舞い勝ちではあるが、このマントヒヒの像は空恐ろしい程に素直に強烈に訴え掛けてくるものがある。素晴らしいの一言である。
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