スタジオジブリの名作『もののけ姫』に登場するモロは、その圧倒的な存在感と神秘的な雰囲気で観客の心を捉えました。しかし、モロの正体やモデルとなった神様については、未だに多くの謎が残されています。
そこで今回は、モロがどのようなキャラクターであるのか、そしてその背後にある神話や伝説、映画に込められたテーマとメッセージなど自然と人間の共存、生命の大切さ、そして宮崎駿の意図とはといった内容を考察していきたいと思います!
もののけ姫の「モロ」ってどんなキャラクター?
もののけ姫の中で、モロは白い狼として登場します。彼女はサンを養女として育て、おそらく数百歳を超える年齢です。モロは冷静かつ知恵深いキャラクターでありながら、時には威圧的な態度を見せることもあります。モロの存在は、物語の自然と人間の対立を象徴しているかのような立ち位置となっているような気がします。
モロの性格や行動
モロの性格は極めて複雑で、一見冷淡で威圧的ですが、その行動には深い愛情と献身が込められています。サンに対しては母のような優しさを見せ、彼女の安全を常に第一に考えています。また、時折人間に対しても理解を示す場面がありますが、基本的には人間を敵として見ています。モロの行動は自然と人間の間のバランスを保つためにあると言えるのではないでしょうか。
モロの正体とは?
モロは明確に描かれた狼神ですが、その正体はただの動物ではありません。自然の力を象徴する存在であり、人間の侵略から森を守る役割を担っています。モロは非常に古い存在であり、その知恵と力は他の動物たちとは一線を画しています。宮崎駿の作品には神秘的な存在が多く登場しますが、モロもその一つであると思います。
モロのモデルとなった神様の考察
モロは完全に創作されたキャラクターですが、その背後には日本の伝統的な神話や伝説が影響を与えているのではないでしょうか。モロの存在は、古代から日本人が信仰してきた自然神のイメージに近いのではないでしょうか。モロが登場することで、物語全体に深みが出ていることからも、非常に重要なキャラクターであると言えます。
モロと日本の狼神の関係
日本には狼神が存在します。狼を神格化した存在「大口真神」は、森を守る白い巨体の犬神としても崇められていました。モロの描写には、この狼神信仰が色濃く反映されています。モロが森を守る姿勢や、人間に対する厳しい態度は、まさに狼神を彷彿とさせます。
テーマとメッセージの考察
宮崎駿の作品「もののけ姫」にはいくつもの深いテーマが含まれています。その中でも特に際立っているのが、自然と人間の共存や生命の大切さについてのメッセージです。宮崎駿が描く世界観には、常に深い意味が込められています。具体的にどのようなメッセージ性がこめられているのか見ていきましょう。
自然と人間の共存
「もののけ姫」では、自然と人間が共存することの難しさを描いています。森の神々と人間との間には絶えず対立が存在し、互いの存在を受け入れることが求められています。これは現代社会にも通じるテーマであり、自然環境を大切にする心の重要性を強く訴えています。火垂るの墓 清太のように、個人の選択が全体に影響を及ぼすことも示されています。
生命の大切さ
宮崎駿は「もののけ姫」を通じて生命が持つ深い価値を描き出しています。命の重さや、命を守るための責任について考えさせる作品です。モロをはじめとするキャラクターたちの行動から、生命がいかに尊いものであり、それを守るためにはどんな犠牲もいとわない姿勢が求められることが伝わってきます。
宮崎駿の意図とメッセージ
宮崎駿は「もののけ姫」で、多くの複雑なテーマを扱いながらも、最終的には共有の未来に向けた希望を描いています。自然と人間が互いに理解し、共に生きることの大切さを、多くの困難を乗り越えた先にある目標として示しています。宮崎駿 新作「君たちはどう生きるか」にも、きっとこのような深遠なメッセージが込められているのではないかと思います。
まとめ
「もののけ姫」のモロ自身の性格や行動を通じて多くのテーマを視聴者に伝える重要な要素となっていることが分かりました。日本の神話にも深く根ざしたこのキャラクターは、自然と人間の共存、生命の大切さといった重要なメッセージを強く訴えているような気がしてきますよね。
宮崎駿の巧みな描写により、モロはただのキャラクターを超えて、多くの人々に考えるきっかけを与える存在となっているのではないでしょうか。